所長のコラム

2026年6月19日 相続税の納税資金は足りていますか?

 被相続人の相続財産に充分な金融資産があれば納税資金の心配はいりませんが、不動産が大半を占め金融資産が不足している場合には納税資金の確保が必要となります。

そこで生命保険の加入で納税資金の確保ができる場合があります。

前提としては加入が可能な年齢と一定の健康状態を満たせば死亡保険金で相続税をカバーできます。

 例えば、相続財産が2億円で配偶者と子1人の場合、「1,800万円」の死亡保険金を確保し、その死亡保険金を子が受取り、そのまま相続税に充当すれば、納税は完了し、その他の財産は無償で残ります。

 しかし、配偶者の相続についての対策は講じられていませんので、配偶者が一次相続で取得した財産に対しても生命保険に加入しておく必要があります。

 また、相続税の納税資金を生命保険だけで準備することは理論的には可能ですが、被保険者の年齢が高いことからも保険料が相当な金額になります。保険料負担に耐えうる限度という視点から判定して、課税価格が概ね3億円以下の場合には生命保険金だけで納税資金の準備が可能と考えられます。



2026年6月10日 【令和8年路線価が7月1日に公表予定】

 令和8年分の路線価が、国税庁より令和8年7月1日11時に公表される予定です。

 路線価は相続税や贈与税の土地評価の基準となる指標であり、不動産を所有されている方にとっては毎年注目すべき情報です。

 路線価とは、道路の面する標準的な宅地1㎡あたりの評価額のことで、相続税や贈与税の土地評価に利用されます。毎年1月1日時点の地価を基準として算定され、公示地価のおおむね80%程度を目安に設定されています。

 令和8年路線価は上昇傾向が続く中、多くの地域(都市部や観光地)で上昇することが予測されます。

土地の評価額が上昇すると、相続税評価額の総額も上昇するため結果として相続税額が増加する可能性があります。特に不動産が相続財産の大半を占める場合には、早めの対策が将来の税負担軽減につながります。




2026年5月27日 ー相続税の期限後申告でも小規模宅地等の特例は使える?ー

 相続税の申告期限は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。

しかし、遺産分割協議がまとまらなかったり、財産の把握が遅れて「期限までに申告できなかった」という事例も少なくありません。

 特に「申告しなくても大丈夫だと思っていた」というケースでも、税務署から指摘を受けると無申告加算税と延滞税が発生します。

 先月もお客様から期限後申告でも小規模宅地等の特例を使って申告したい旨の相談を受けました。

 結論から申し上げますと、一定の要件を満たせば期限後でも小規模宅地等の特例は受けられますが、今回のお客様の場合は、遺産分割協議がまとまっておらず既に相続開始後4年以上経過しているため適用はできない旨の返答をしました。

 申告が必要かな?と思われる方はお早めに税理士に相談してみてください。




2026年5月19日 ー今後の相続税対策についてー

令和8年度税制改正大網では「貸付用不動産の評価方法の見直し」が決まりました。

高齢者の駆け込み不動産投資や小口化不動産投資を封じたもので、相続開始・贈与前5年以内取得貸付

不動産や小口化貸付用不動産が対象です。

令和9年1月1日以後の相続開始・贈与から適用されます。

具体的には9月に通達が公表されるかと思われます。

基本的には、不動産は早期取得・長期保有が原則ですね。


また、資産を法人所有にすることで、個人の評価ルールの直撃を避けることが可能となります。

株式評価において「純資産価額方式」ではなく「類似業種比準方式」の適用を目指すことにより、

株価は大きく圧縮できますが、これについても国税庁HPにて「取引相場のない株式の評価に関する有識者

会議の開催について、類似業種比準価額を適用する割合が高い規模の大きな会社ほど相対的に低く算定さ

れることを会計検査院の検査報告において指摘されていることから、令和9年度税制改正において何らかの

措置が講じられる可能性が高くなっています。




2024年5月8日 福沢諭吉から渋沢栄一へ

 新一万円札(五千円札、千円札)が今年7月3日に発行されるとのこと。

「一身(いっしん)にして二生(にしょう)、一人(いちにん)にして両身(りょうしん)」

という表現は、福沢諭吉が『文明論之概略』の中で日本人は江戸時代までの伝統を生きていると同時に、

明治以降の西洋化をも生きている。

この二つの生を同時に生きていること自体を客観視したものだ。

「一人で二つの人生を生きることができる時、人はその二つを比較できる。比較ができるということは、

知識がより正確になることだ。そんなことは、西洋人にもできないことだ。

なぜなら西洋人は、自分たちの文明しか知らないのだから」と言っている。


また、福沢諭吉は漢文も読み、蘭文にも習熟した。福沢の一身二生とは、今でいう二刀流なのである。

そのオランダ語の翻訳で生計を立てていたが、開国後、横浜へ行ってみると、

そこではオランダ語ではなく英語が使われていた。

オランダ語の知識は役に立たないと認識すると、翌日から英語の先生を探し始め、英語の猛勉強を始める

のである。

 その後、幕府の通訳としてアメリカに渡れたのは、福沢は英語に強いと評判になっていたからだ。

切り替えの早さ、思い切りのよさ、見事と言わざるを得ない。

諭吉様と言われていた一万円札、お疲れ様でした。

(参考文献:大嶋 仁 「1日10分の哲学」新潮新書)




2024年1月11日 税務相談ロボットについて

 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。


 新年早々、石川・能登の大地震や羽田での飛行機事故、小倉商店街の火災等、暗いニュースが

多かったのですが、株価は続伸しているようで明るい話題も欲しいところですね。

 さて、今年の1月9日より日本初の税務AI相談チャットサービス「税務相談ロボット」の提供が

開始されたとの報道がありました。

月額1万円で50回まで質問可能とのこと、企業経理担当者や税理士向けのサービスのようです。

 人工知能(AI)は専門分野での相性が良いと聞いたことがあります。

膨大なデータから答えを導きやすいようですが、

さてその答えの責任は誰がとるのか?

税理士法に抵触しないのか?

今のところ明確ではありませんが、実務をやっていると結構グレーゾーンの税務相談を受けることが

多いため、その企業の状況などを細かくヒアリングしながら回答しますが、

AIはこのグレーゾーンの質問にどのような回答をするか興味があるところです。








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