所長のコラム

2024年5月8日 福沢諭吉から渋沢栄一へ

 新一万円札(五千円札、千円札)が今年7月3日に発行されるとのこと。

「一身(いっしん)にして二生(にしょう)、一人(いちにん)にして両身(りょうしん)」

という表現は、福沢諭吉が『文明論之概略』の中で日本人は江戸時代までの伝統を生きていると同時に、

明治以降の西洋化をも生きている。

この二つの生を同時に生きていること自体を客観視したものだ。

「一人で二つの人生を生きることができる時、人はその二つを比較できる。比較ができるということは、

知識がより正確になることだ。そんなことは、西洋人にもできないことだ。

なぜなら西洋人は、自分たちの文明しか知らないのだから」と言っている。


また、福沢諭吉は漢文も読み、蘭文にも習熟した。福沢の一身二生とは、今でいう二刀流なのである。

そのオランダ語の翻訳で生計を立てていたが、開国後、横浜へ行ってみると、

そこではオランダ語ではなく英語が使われていた。

オランダ語の知識は役に立たないと認識すると、翌日から英語の先生を探し始め、英語の猛勉強を始める

のである。

 その後、幕府の通訳としてアメリカに渡れたのは、福沢は英語に強いと評判になっていたからだ。

切り替えの早さ、思い切りのよさ、見事と言わざるを得ない。

諭吉様と言われていた一万円札、お疲れ様でした。

(参考文献:大嶋 仁 「1日10分の哲学」新潮新書)




2024年1月11日 税務相談ロボットについて

 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。


 新年早々、石川・能登の大地震や羽田での飛行機事故、小倉商店街の火災等、暗いニュースが

多かったのですが、株価は続伸しているようで明るい話題も欲しいところですね。

 さて、今年の1月9日より日本初の税務AI相談チャットサービス「税務相談ロボット」の提供が

開始されたとの報道がありました。

月額1万円で50回まで質問可能とのこと、企業経理担当者や税理士向けのサービスのようです。

 人工知能(AI)は専門分野での相性が良いと聞いたことがあります。

膨大なデータから答えを導きやすいようですが、

さてその答えの責任は誰がとるのか?

税理士法に抵触しないのか?

今のところ明確ではありませんが、実務をやっていると結構グレーゾーンの税務相談を受けることが

多いため、その企業の状況などを細かくヒアリングしながら回答しますが、

AIはこのグレーゾーンの質問にどのような回答をするか興味があるところです。








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